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介護保険における住宅改修 Q&A
皆様からいただく、介護保険対象の衝撃緩和型畳についての疑問・質問を集めました!
先ずは、省令に基づき書かれているJIS A 5917(2023)衝撃緩和型畳床の規格書の解説に書かれている“制定の経緯”と“制定の趣旨”をご確認ください。 重要なことが書かれています。
- 【JIS A 5917衝撃緩和型畳床の制定の経緯】
- 近年、高齢者の住宅及び建築物内での転倒による骨折などによって、そのまま病床につく事例が多く報告されており、その床部材への性能では、“転倒時の衝撃緩和機能”が求められている。
- 【JIS A 5917衝撃緩和型畳床の制定の趣旨】
- 衝撃緩和型畳床の基本的な要求性能は,現在のJIS A 5914 と同等又はそれ以上の性能とすることを基本として,次の二つの機能を加えている。
一つ目は,足腰の負担又は障害が起こりにくい硬さの評価方法として,一般社団法人日本建築学会の床性能評価指針で規定する“日常的な動作時の床の硬さ試験”を基にした性能値を加えた。二つ目は,転倒時の衝撃緩和機能として,JIS A 6519(体育館用鋼製床下地構成材)で規定する“転倒衝突時の床の硬さ試験”を基にした性能値を加えている。a) “居宅介護住宅改修”及び“介護予防住宅改修”、“滑り防止”または“移動の円滑化“などのための床及び通路面の材料とされることで、今後、高齢者等の転倒から要介護となる事態の減少に向けての一助となる点。 b) “今ある畳を衝撃緩和型畳に入れ替える取り組みの実施によって”安全・居住“につながる点。 c) 省エネ法における“トップランナー制度”に該当する断熱材も対象としており、優れた断熱性能を持つことで、床部位における“ヒートショック対策”にも貢献する点。
- 衝撃緩和型畳には、滑り防止と移動の円滑化の機能があるのかと自治体から言われました。
-
あります!
衝撃緩和型畳には、滑り防止と移動の円滑化の二つの機能プラス転倒時の衝撃緩和機能がありますので、フローリングより介護性が高いと言えます。国が力を入れている介護予防住宅改修の観点から必要な住宅改修につながります。
フローリングには移動の円滑化は一般的に認められていますが、滑り防止の根拠となる数値は示されていません。
- 衝撃緩和型畳は、介護保険の対象になっていないと自治体から言われました。
-
対象になっています!
令和4年3月31日厚生労働省事務連絡Vol.1059で発信されています。それ以前にも平成30年7月の介護保険における住宅改修実務解説の改訂、さらに令和4年7月に、介護保険における住宅改修実務解説が改訂されイラスト入りで解説されています。
- 行政(役場)から、「介護保険の対象ではありません。」と断られ、別のところでは、「衝撃緩和型畳の使用実績はありますか?無ければ、認められません。」と言われました。衝撃緩和型畳は介護保険の住宅改修に使えないのですか?
-
使えます!
行政は、令和4年6月に改訂された介護保険における住宅改修 実務解説の情報が周知されていないと思われます。衝撃緩和型畳の設置は、介護保険における住宅改修 実務解説で、転倒した時ケガを防ぐものとして、新しい介護のあり方を紹介しています。介護保険では介護保険における住宅改修 実務解説を住宅改修のガイドラインとしています。その目的は、次の通りです。
① 健康寿命の延伸 ② 介護サービスの平準化 ③新しい介護情報の周知
実績は不要です。新しい介護のあり方を普及させるために、厚生労働省事務連絡No.1059令和4年3月31日に全国に住宅改修の変更を事務連絡にて通知しています。
- 自治体から、“衝撃緩和型畳”より、“手すりの設置”と“段差解消”が優先と言われました。
-
そうとは限りません。
介護施設等では、手すりの設置、段差解消を行っていますが、高齢者に多い転倒は、“よろめき転倒”といわれ、転倒する時、床面に気を取られ、手すりをつかめない状況が多いようです。
厚生労働省の人口動態調査では、高齢者の転倒は、“平らな通路が一番多い”としています。
- まだ歩けますが、衝撃緩和型畳は介護保険の対象になりますか?
-
対象になります!
高齢者は、加齢・病気・運動不足等、自分は転倒しないというバイアスが転倒につながっています。
転倒して大腿部を骨折すると、ほとんどの方が認知症から寝たきりへと悪化します。
- フローリングが畳より長持ちすると言われましたが…
-
介護保険の意義を誤解されています!
介護保険は、床の寿命をのばすのではなく、人の「健康寿命」をのばすことが目的です。
- 衝撃緩和型畳は、歩行と車椅子の走行を妨げるのでは…
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妨げません!
衝撃緩和型畳床をJIS化する審議の時、有料老人ホーム関係者より、「歩行と車椅子の走行を妨げずに転倒した時に体を守るものを規格化して欲しい」と要望され、その無理難題に応えたのが衝撃緩和型畳です。
※カタログに掲載されております日常動作時の硬さ性能値と局部圧縮量をご確認ください。
- 居室だけでなく通路にも使えますか?
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使えます!
JIS A 5917衝撃緩和型畳床の規格書では、居室だけでなく通路面への採用を呼びかけています。
高齢者の転倒は、離床時とトイレに行く時の通路で多いようです。
介護保険における住宅改修(R5.6改訂版)で、移動の円滑化として衝撃緩和型畳を認めています。
- ヒートショック対策になるって本当ですか?
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なります!
衝撃緩和型畳は「夏涼しく冬暖かい」という特性を持っていますので、ヒートショック・モーニングサージ対策になります。一般的なフローリングは、足元が冷えやすく、それによって血圧に影響を与えモーニングサージに陥りやすいようです。
ヒートショックによる死者数:19.000人/年、熱中症による死者数:1.600人/年
高齢者は、硬い床も苦手としています。 (老化により関節の軟骨が減り、足腰の関節に負担が生じるから)
- 介護保険の利用は一度だけですか?
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複数回受けることができます!
「介護の必要の程度」の段階が3段階悪化した場合、もしくは、転居の場合に受けられます。
例1:① 介護保険利用者宅を住宅改修、② 「介護の必要の程度」の段階が3段階悪化
例2:① 介護保険利用者宅を住宅改修、② 転居、③ 「介護の必要の程度」段階が3段階悪化「介護保険の必要性の程度」
の段階要介護等状態区分 第六段階 要介護5 第五段階 要介護4 第四段階 要介護3 第三段階 要介護2 第二段階 要介護2 又は、要介護1 第一段階 要支援1 又は、経過的要介護
旧要支援
- 介護保険の利用者が一家庭に複数の場合、一人分の住宅改修になるのですか?
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複数人分の補助額を受けられます!
- 公営住宅に住んでいますが、介護保険の住宅改修はできますか?
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できます!
施工前に、行政側の許可を得てください。借家の場合は、家主の許可を得てください。
- 衝撃緩和型畳は、バリアフリーとして認められていますか?
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バリアフリー対象製品です!
厚生労働省は、「介 護保険の住宅改修実務解説」令和4年6月に分かりやすく掲載しています。また、国土交通省の補助事業のなかに衝撃緩和型畳をバリアフリー対象製品としています。
- 衝撃緩和型畳は、なぜバリアフリーとして認められているの?
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バリアフリー ➡ 「障壁を取り除き生活しやすくする」という意味です。
バリアフリーを手すりの取り付けと段差解消のことと考えておられる方が多いと思いますが…
国土交通省の「こどもエコすまい支援事業」では、バリアフリーの補助対象製品となっています。
- 畳は汚れたら掃除がしにくいのでは…
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汚れたら雑巾がけをすれば大体とれます。
最近では汚れに強い化学畳表も普及しています。また、衝撃緩和型畳は、傷んだところだけ部分的容易に取り替えが可能です。
- ポータブルトイレ等の臭いが気になる場合、衝撃緩和型畳で何か対策はできますか?
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対策できます!
畳を作る時に、ヤシガラ活性炭シートを使用することで、消臭及び環境対策にもなります。
- JISマーク(〄)は必要なのですか?
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消費者保護の観点からJISマーク(〄)は存在します。
車いす・ベッドもJIS化傾向です。
- 新築の際、畳の間をつくるとコストがかかると説明を受けました。
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その通りですが…
瞬間的なコストで考えると否定できませんが、人生100時代に備えた長期的なコストで考えると、コストダウンになると思います。大切な家族が転倒してケガ(骨折)をされた場合、本人の苦痛・家族の負担 等を考えると衝撃緩和型畳がお役に立つのではないでしょうか。
新築後、数年経って衝撃緩和型畳の必要性を感じて、フローリングを和室にリフォームすると、相当なコストがかかります。また、大工・工務店の廃業が1.000軒/年に及んでおり、リフォーム作業ができる職人も少なくなっています。新築時に衝撃緩和型畳の設置をお勧めします。
- 住環境コーディネーター2級の資格があれば、住宅改修の申請がケアマネを通さずにできる?
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自治体によって異なります。自治体に相談してください。
- 新築中で、介護認定を受けている家族がいるのですが、介護保険が利用できますか?
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利用できません。
新築中はもちろん、築後1年以上経過しないと介護保険は利用できません。
- 家族が施設に入所中、自宅へ帰った時の準備として住宅改修を考えていますが介護保険は使えますか?
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準備としての施工はOKです。
ただし、一旦全額を支払い、自宅に帰った証明書を提出後、補助額が支給されます。