畳のいま、むかし

畳の歴史

正倉院 正倉院 日本文化「畳」はなぜ生まれたのでしょうか?
板張りの間が、硬くて冷たく落ち着かないという問題点を改善するために畳は生まれました。瑞穂の国日本ならではの素材である稲わらを編み込んだわら菰を何層にか重ねて使用し始めた。その畳の前進である敷物が畳(たた)めるということから畳(たたみ)と名付けられました。
聖武天皇の時代、現在の畳のように稲わら床に畳表がはられ、さらに縁が付き始めた。この畳が「最古の畳」として正倉院に展示してあります。

畳は、かたさがほど良くくつろぎを与え、寒いときには身体を保湿してくれ、夏の暑いときは汗や湿気を吸収し過ごしやすくしてくれます。その畳の良さが伝承され、畳の歴史は1200年以上になります。もし、畳が悪いものだったら1200年以上使われたでしょうか。多分、畳は日本人の生活に豊かさを与え続けてきたから1200年以上続いたのだと思います。
現在の畳は、建材畳(木質繊維板とポスチレンフォームを積層した畳床を貼り合わせて作った畳)が多い。建材畳の歴史は30年くらいで、文化として、まだ根付いたとはいえません。

朝日新聞の記事(抜粋)
  • 転勤で引っ越してきた新築のマンション、4畳半はとほほの狭さだが新しい畳の香りはやっぱり気持いい、早速寝転んでみたところ今度は硬さに驚いた。気がつかないうちに、足元で畳は変わっていた。どんな中身で、どんな厚さでもい草で包んであれば畳なの?
  • 「マンションにくつろぎ場として六畳の和室が欲しいというお客様の声は根強い」(三井不動産広報担当者)
  • 薄畳は、多少でもクッションのきくプラスチック素材を使うなど各社改良中を口にするが、乗ってみるとまるで板の上のござ。「人にやさしい」はずの住宅の畳がこれでいいのだろうか。
  • 「畳は文化」というならば、プロの皆さんも「シロウトはわかっていない」で片づけずに情報公開をお願いします。これから住宅の購入を考えている皆さん、モデルルームでの畳のチェックをお忘れなく。(記者の一言)

と書かれた記事をみると、畳の違いに気付いた記者の畳への思いがうかがえます。

消費者ニーズに合わないものは、全ての商品が、この世から消えてなくなるそうです。畳も消費者が満足するくつろぎ場として親しまれる畳をつくらないと、畳とフローリングとの差が感じられず、消費者が畳の必要性を感じなくなり消えてしまいます。
畳が生まれた背景を思い浮かべると、硬くて冷たく落ち着かない板張りの間を住みやすくするために日本人が作った独特の敷物なのに…現在は、フローリングが多く、しかもスリッパを履いて暮らしています。スリッパがなぜフローリングの生活に必要なのかというと、フローリングが硬くて冷たいからです。つまり、昔の日本人がきらった板張りの間の生活に戻ってしまったのです。

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