なぜ、畳が減ったのか?
理由としては、生活様式の洋風化、冷暖房の普及、介護環境等が主に挙げられます。
畳業界では次のような取組み・提案を行っています。
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生活の洋風化
「ヘリ無畳」・「カラー畳」の登場で洋風化に対応しています。
洋間を和モダンな雰囲気に変えるなど、お好みに合わせた空間づくりに活用されています。 -
冷暖房の普及
冷暖房のおかげで年中快適な生活が送れるようになってきましたが、自然災害時に停電等があると状況は一変します。
そんな時も、「畳」があるだけで暖かく生活ができます。例えば、フローリングの上にコタツを使用しても底冷えを感じますが、「畳」の上でコタツを使用するととっても暖かく過ごせます。また夏場においても、吸湿性がある「畳」は、フローリングより涼しく感じます。 -
介護環境
車いすの走行性、歩行の安全性を求め「畳」からフローリングへと変わりましたが、フローリングの部屋は寒く、また転倒した時のケガのリスクが高いため、厚労省は介護保険における住宅改修というガイドラインの中で床材の見直しをしました。
衝撃緩和機能を有する畳床を使用して作った「衝撃緩和型畳床」は安全性が認められ介護保険の対象になりました。お年寄りに良いということは、ハイハイし始めた頃の大切な子どもの身体をも守ってくれます。こういった性能により従来は限定的な「畳」の使用が、リビング・廊下等へも使用される可能性が出てきています。
熊本県のバドミントン実業団が練習している体育館のフロアーは、衝撃緩和型フロアーを採用しています。ここでも選手の身体を守るように配慮していることがうかがえます。
「畳」に発生するカビは、住宅の老朽化を防ぐためのシグナル
畳が減った畳内部の原因として、「カビ」と「虫害」が挙げられます。
カビが発生すると、カビを餌とする昆虫(チャタテムシ《湿気虫》)・コナダニ等が現れます。すると、それらを捕食するツメダニ等が現れます。そのツメダニが人を刺し危害を及ぼすことがあります。
つまり、カビを発生させない環境をつくればこういった被害は出ないようになります。
現在弊社は、稲わらを殺菌乾燥(JISの製造工程)して製造しております。虫害の報告はありません。
さらに、カビ問題(カビが発生する湿度75%)解決のために、安心安全で健康被害をおよぼさないシリカゲル(身体の栄養素ケイ素)を使い調湿作用(湿度を60%に調湿)で対策を行なっています。
この調湿効果でダニが発生しやすい湿度65%以下に抑え、また、カビを食べるダニや昆虫の発生で肉食のダニが発生し、人に被害をあたえるといった食物連鎖を防ぎ防虫します。
「畳」にカビが発生しないように住宅を管理すると、湿気による住宅の老朽化を防ぎ、結果的に住宅が長持ちします。
「畳」に発生するカビは、ある意味では住宅の老朽化を防ぐためのシグナルと受け止めることができる点で、「畳」は有り難い敷物なのです(天然素材の畳表の場合)。
畳の重要性
2011年3月東日本大震災、2016年4月熊本地震の際に、避難所生活を余儀なくされた時、寒くて硬くて暮らし難かった被災者の生活を「畳」が改善しました。熊本地震の際には、全国の畳店から7000枚近い「畳」が避難所へ届けられました。
やっぱり「畳」は住まいの必需品と言えるのではないでしょうか?